卒業論文の代わりにホラー小説を書いてみた

表現学部 表現文化学科

情報文化デザイン(文芸)コース
(現:クリエイティブライティングコース)

秋吉 律子さん

研究内容を
30秒まとめ

小説が卒業論文になる大正大学の表現学部。
謎のメールと赤いアルバムの関係を追った、主人公の行く末とは。
表現学部では、卒業論文の代わりに卒業制作を行うこともできる。秋吉さんは、虚構のストーリーを事実のように伝える「フェイクドキュメンタリー」形式のホラー小説「創作『視(みる)』を執筆。ホラーへの挑戦は初めてだったが、原稿用紙約100枚の小説を書き上げた。物語は、フリーランスライター・和泉リョウのもとに、謎めいたメールが届くところから始まる。他人からの視線を気にする女子大学生のインタビュー音声や画像が添付されたメールは、差出人も意図も不明。やがてメールと都市伝説「赤いアルバム」の関連に気付いた和泉は、記事を書くため調査を開始する。だが、その過程で編集者の失踪、真相解明の鍵を握る女性の死など、不可解な事件に巻き込まれていく──。

3つのクセ強ポイント

  • 1

    卒業制作がホラー小説

  • 2

    執筆のためにホラー浴びまくり

  • 3

    日常の違和感が気になる「創作脳」に

なぜこの研究テーマにしたの?

自分の好きなドキュメンタリーとホラーをいいとこ取り。
自身の短所を逆手にとって、恐怖を演出する。
授業では、これまで「好きな歌」や「最近気になったニュース」を題材に小説を書くという課題に取り組んできました。ただ、お題に沿って書くことに必死で、自分の本当に好きなものに向き合う余裕がなかったんです。
私はもともと、ドキュメンタリー番組もホラーも大好き。最近、この二つを掛け合わせたフェイクドキュメンタリー作品が流行っていますよね。「私にとっておいしいとこ取りのジャンルだな」と思い、YouTubeやテレビでたくさんの作品を見ていました。そこで卒業制作では、私の好きなフェイクドキュメンタリーホラー小説を書くことに。
執筆にあたっては、YouTubeや映画、小説などのフェイクドキュメンタリー作品を大量に見ましたね。これまでに書いた小説は「視覚的な描写が少ない」と指摘されることが多かったので、その短所を逆手にとって視覚情報をあえて制限し、読者の想像をかき立てる描写で恐怖を演出しました。

研究を進める中での
「激アツ」or「苦戦」エピソード

友達に珍獣扱いされるほどの「創作病」。
「嫌な感じ」という感想をもらって、してやったり。
私は、「あるはずのないものがある」という違和感に心を惹かれるんです。例えば、道に入れ歯が落ちているのを見つけた時には、「どうしてここに入れ歯があるんだろう?」と勝手に物語を考え始めてしまう。道端に落ちているものは写真に撮るし、感情が動いた瞬間や気になる物事は所構わずスマホにメモします。完全に「創作病」ですし、友達からは珍獣扱いされています。
卒業制作の小説も、実際に見た風景を取り入れて書きました。路上に落ちていた赤いアルバムや「ご自由にお持ちください」と書かれた姿見は、作中に登場する都市伝説のヒントに。「不法投棄するな」という紙が貼られたスーツケースを道端で見つけた時も、「中に何が入っていたら怖いかな?」と想像が膨み、小説に取り入れたくなって。開けるとタイムトラベルできる、異世界につながっている、というアイデアも思い浮かびましたが、最終的に女の子の死体を詰めちゃいました(笑)。
執筆中の小説を家族や別学科の友達に読んでもらっていたんですが、「怖い」「続きが気になる」「嫌な感じがする」など、欲しい言葉をもらえて激アツでしたね。

この路上に落ちていた赤いアルバムから小説のアイデアが広がっていった

ゼミの先生からもらった言葉

ゼミ生の多くは王道の純文学を執筆していましたが、私が書いたのは報告書や考察を取り入れたフェイクドキュメンタリー。もともと小説よりも論文やレポートが得意なので、自分の強みを生かした構成にしました。指導教員である中島紀子先生からも、「秋吉さんらしさがすごく感じられるね」と評価していただき、とてもうれしかったです。

受験生のみなさんへのメッセージ

このコースでは、「出る杭は打たれる」ではなく、むしろ「伸ばされる」です。クセが強いほど尊敬されますし、小説以外にエッセイやコピーを書く機会もあり、自分の得意分野も伸ばせます。私も授業を通してエッセイが得意だと気付き、学内コンテストの「大正大学アカデミックコンテスト」で賞をいただいたこともありました。先生たちもクセが強いので、そのつもりで入学してください(笑)。

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