高齢者は優先席に座れてる?136時間の調査で分かった事実

社会共生学部 公共政策学科

(現:地域創生学部 公共政策学科)

松村 斗和さん

研究内容を
30秒まとめ

鉄道・バス・路面電車に乗車し徹底調査。
優先席利用に関する都市インフラの課題を洗い出した。
少子高齢化が進む今、電車やバスは高齢者の生活を支える大切な交通インフラになっている。しかし、混雑する車内では高齢者が座れず、人波に翻弄されることも。そこで、都市部の鉄道(西武池袋線)・路線バス(都営バス草63系統)・路面電車(都電荒川線)に実際に乗車し、曜日や時間ごとの高齢者の利用状況や優先席の利用実態を調査。平均値等を算出・集計し、時間帯ごとの傾向を分析することで、高齢者乗車時の課題、優先席の利用に関する現状をつかんだ。さらに、大学生に対して優先席に関する考えや経験を問うアンケート調査を実施し、その結果も分析。利用者の意識改善、事業者の取り組みの工夫、都市部独自のコミュニケーション不足という課題を洗い出した。

3つのクセ強ポイント

  • 1

    優先席というニッチな研究テーマ

  • 2

    電車・バス・路面電車に136時間乗って調査

  • 3

    膨大なデータの入力・分析は、まさに修行

なぜこの研究テーマにしたの?

「乗り鉄」ゆえに公共交通の在り方に興味。
1年次のフィールドワークよりもっと本格的な調査がしたい。
鉄道オタクだった父の影響で、私もいつしか「乗り鉄」に。大学で公共政策について学ぶうちに、「市民のための公共交通ってどうあるべきなんだろう?」と考えるようになりました。まちには、高齢者、妊婦、障害のある方など、「移動制約者」と呼ばれる人たちがたくさんいます。そういう方々にとって、まちづくりや公共交通はどうあるべきなのか。それが研究の出発点でした。
公共政策学科では、1年次から3年次までフィールドワークを行います。1年次の自転車のマナー違反に関する調査では、3人1組で交差点に立ち、5日間で1万6,000台ほどの自転車を観察したことも。その経験があるので、「卒論では、もっと本格的な調査ができるかもしれない」と思いました。そこで私が着目したのが、東京都心の公共交通機関における優先席の使われ方です。移動制約者の中でも高齢者に焦点を当てて、高齢者がどんな場面で困難を感じているのかを明らかにしようと考えました。

研究を進める中での
「激アツ」or「苦戦」エピソード

「仏教の修行よりすごい」と言われた過酷な調査。
虚無の時間を越えて、仮説的中のデータをつかんだ。
4年次の夏休みを調査期間にあてて、電車・バス・路面電車に合計136時間乗り続けました。車内で高齢者が何人いるか、全体の何%を占めているか、立っているのか、優先席に座っているのか。逆に、優先席に高齢者以外の人が座っているケースも含めて、ひたすら記録していきました。
座って記録するために、何本も見送ってから乗車することもあり、真夏の暑さにも苦戦しました。友達から「仏教の修行よりすごい」と言われたり、運転手さんに「また来たのか」という顔をされたりしたことも。混雑時には車内トラブルにも遭遇しました。
一番大変だったのは、その後のデータ入力。手書きのメモをExcelに入力する作業に、1カ月以上かかりました。正直、「何をしているんだろう」と虚無になる時間もありましたが、分析をすると面白い結果も見えてきました。自分が立てた仮説にぴったり合うデータが出た時は、まさに激アツでしたね。

記入済みのチェックシートの山は、夏休みを費やした調査の成果

ゼミの先生からもらった言葉

指導教員の首藤正治先生は、宮崎県延岡市の市長を12年間務めた方。調査計画を話した時は「交通機関をどれか一つに絞ってもいいのでは?」と提案されましたが、大学の近くですべて調査できますし、バスや路面電車の先行研究はほとんどないため、「全部やります」と言ってしまいました。論文提出後には「よく粘ったな」と評価していただきました。

受験生のみなさんへのメッセージ

公共政策学科は、環境政策、観光政策、自治体経営など幅広く学べるため、2年次の最後に研究対象を絞るまでは、在学中に興味が移っても柔軟に方向転換できるのが魅力です。「授業ガチ勢」も多く、みんなで自習スペースに集まって課題に取り組むのも楽しい時間でした。どんなに狭いテーマでも、とことん突き詰めれば面白い。皆さんも、大正大学でやりがいを感じるテーマを見つけてください。

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